内縁・事実婚の成立

 内縁(内縁関係)ですとか、事実婚と言えるためには、事実上の婚姻としての実態を有する男女の関係である必要があります。

 つまり、内縁や事実婚が成立するためには、
1 婚姻の意思があること
2 その婚姻意思に基づく共同生活の存在
が必要とされます。

少し詳しくお話をしてみましょう。

「婚姻意思」とは、「社会通念上の夫婦になる意思」を言います。単に同棲する意思では、夫婦になる意思がありませんから、「婚姻意思」があることにはなりません。

 この「婚姻意思」は、主観的なもので外部からは分かりにくいため、「婚姻意思」があるか否かが問題となったときには、客観的な事情・状況から「婚姻意思」があるか否かを判断することになります。そのような事情・状況としては、
1 結婚式を挙げているか、親への挨拶をしているか
2 共同生活の期間・内容
3 親族、友人、仕事関係者等の認識 などを挙げることができます。

「婚姻意思に基づく共同生活」というのも説明は難しいのですが、夫婦同様の生活をしていることを言い、その判断においては、どのような生活をして来たのかという生活の内容とその期間が重要になってきます。