公正証書の注意点

 事実婚や内縁関係になっているご事情も様々であろうと思います。その現在の生活を守るための、また、パートナーを守るための公正証書の内容も、カップル毎に多様であって当然です。ですから、作成しようとする公正証書は、そのご事情に対応した内容を持つものである必要があります。公正証書を作成する場合には、公正証書を必要とするご事情を考え、それに対応した内容の公正証書を作る必要があります。 

 事実婚や内縁関係のカップルが、ご自分たちの生活から生じる不都合を回避するため、更に広く、ご自分たちの日常に関する約束を作成するために、公正証書の活用を考えて見る価値があると思いますし、その動きが出てきています。 事実婚や内縁関係のカップルについては、事実婚・内縁関係に関する公正証書と遺言は、現在でも、一部では、その重要性が認識されています。

 ただし、確かに公正証書は武器になりますが、それで絶対に解決できるという現状ではありません。例えば、病院であれば、病院には守りたい利益(法律上の親族よりも、事実上の妻の意思を優先させたことによる訴訟のリスクを避ける利益等)がありますから、ケース・バイ・ケースで結論が異なる可能性があります。しかし、事実婚である、内縁であるという場合に、事前に、出来るだけのことはしておきたいとお考えであれば、公正証書の作成をお考え下さい。