公正証書のメリット

 事実婚や内縁の解消の際に、公正証書を作成するメリットについて、ご説明してみましょう。

 養育費の支払いは、基本的には毎月の支払いとなります。また、財産分与でも金銭の支払いとなる場合がありますし、慰謝料は金銭で支払われます。財産分与・慰謝料の金額が決まったら、できれば支払いは一括の方が良いのですが、ある程度まとまった金額となるでしょうから、分割払いになることが多いでしょう。

 養育費の支払いや、金銭の分割払いの場合、始めは払ってくれるだろうとは思えても、1年・2年と経つと、果たして約束を守ってもらえるかどうか不安は大きいですね。分割払いにするのであれば、その約束(法律上は契約です。)を明確にするために、約束の存在・内容を文書で残してください。そして、文書で残す場合には、公正証書を作成しておくのが最善です。

 公正証書は、法務局(法務省)に所属する公証人が作成する公文書です。公証人は、裁判官・検察官等の経験のある法律の専門家で、その公証人が作成する公正証書があれば、相手が約束を守らないときには、相手の給料などの財産を差押えることができます。金銭の支払いについては、公正証書は、裁判所の判決と同じ効力を持つのです。公正証書には、その様に、強い効力がありますから、相手にも「約束を守らないといけない。」という気持ちを持たせる効果もあります。

 公正証書を作って、その強い効力で、相手を威嚇しながら、相手に分割払いの約束を守ってもらう。長い期間の金銭の支払いの場合、できるのであれば、公正証書を作成しておきたいものです。